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大日本印刷、トーハン桶川センターに書籍製造ライン

2023年10月25日

大日本印刷は23日、物流業務を担う(株)トーハンとトーハン桶川センター(埼玉県桶川市)への書籍製造ライン導入に向けた協議を開始すると発表した。

 新製造ラインは、DNP久喜工場(埼玉県久喜市)のデジタル製造機械の一部を移設する予定で、2025年度中の運用開始を目指す。取次の流通拠点内での書籍製造は国内初の取り組みで、返品率が10%以下と言われるドイツの出版流通構造を参考に流通基盤を再整備し、現状30%を超える国内の返品率の低減を図る。

 今回、少部数から印刷するPOD(Printon Demand)技術を用いた「桶川書籍デジタル製造ライン」の新設を目指す。出版社と連携して、書籍製造用のコンテンツデータを預かり、需要に応じて少部数にも対応した印刷・製本を行い、注文から短時間での出荷・販売を実現する。

 今後は、先行的に一部の出版社・書店と連携し、DNPの既存製造ラインでの試験的な製造と検証を行う。また、デジタル印刷用データのラインアップの拡大に向けて、出版社や書籍製造会社との連携を強化する。

 トーハンは新製造ラインの2025年度中の運用開始も視野に入れ、2024年夏をめどに桶川センターの在庫管理システムを全面的にリニューアルする。トーハン桶川センター全体が書籍デジタル製造ライン・桶川書籍流通センター(SRC)・ブックライナー(読者注文品専用の流通システム)とも連動することで、読者や書店の注文に対する充足率の最大化、調達リードタイムの最小化を目指す。

■ 設備投資概要

所在地:埼玉県桶川市上日出谷1202ー1(トーハン桶川センター)
設備:書籍製造ライン(DNP久喜工場(埼玉県久喜市)のデジタル製造機械の一部を移設)
運用開始予定:2025年度中

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