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飛驒産業、岐阜・奥飛騨温泉郷に新工場

2023年11月6日

飛驒産業は10月26日、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷に温泉熱を利用した木材乾燥室を備えた「奥飛騨 栃尾工場」を新設したと発表した。

 近年、国の政策の後押しもあって国産材の活用を推進する動きが広がり、枯渇したと思われていた国産広葉樹が山林に蓄積されていることが判ってきたが、国産広葉樹の流通が一度途切れてしまったことから、川下である家具メーカに届いていない現状がある。そこで、国産材の流れを取り戻すため、乾燥を目的とした温泉熱利用の木材乾燥設備を導入した。また、温泉熱を利用することで、従来の化石燃料を使った乾燥と比較し、年間で灯油の使用量が678,591Lの削減され、二酸化炭素に換算すると1,689tのCO2削減となる。

 建屋は小学校の跡地に建設。温泉熱を熱源とする乾燥室を15室作り、個別の温度設定をしながら周辺地域の広葉樹材を4~6週間乾燥させる。広葉樹材の乾燥は、割れ、狂いの発生を抑えるために、天然乾燥を10か月程度実施後に人工乾燥を行うのが一般的。
今回同社が開発した乾燥方法は、乾燥期間の大幅な短縮に加え、木材の含水率を高度な水準である8%程度まで下げることができる。乾燥時間は外気の影響や材種、含水率によって変わるため、温度安定化対策として温泉の温度を電熱器で調整する。
設備導入初年度(2023年10月1日~2024年9月30日)は年間600㎥。3年後の(2026年10月1日~2027年9月30日)には年間1,000㎥の製材品の乾燥を計画している。
雇用については、国産材の製材と乾燥設備運営のため上宝・栃尾地区より3名を新規雇用している。

■ 新工場概要

名称:奥飛騨 栃尾工場
所在地:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷栃尾439-18-1と458-2-1
敷地面積:1360㎡
建屋詳細:乾燥装置 木造90㎡×3棟270㎡、ストックヤード 鉄骨造120㎡
生産能力:1000㎡(製材品)/年
本体設計:斐太プランニング
本体施工:丸中建設
乾燥設備設計施工:メカトロニクス
着工:2023年4月
竣工:2023年10月

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