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共英製鋼、ベトナム・カナダで設備投資計画再開

2023年11月15日

共英製鋼は10月31日、ベトナム事業拠点のVietnam-ItalySteel Joint Stock Company(以下:VIS社)とカナダ事業拠点のAlta Steel Inc.(以下:アルタ・スチール社)の投資計画を再開すると発表した。

 VIS社は、フンエン省に圧延工場、ハイフォン市に製鋼工場を保有しており、製鋼工場と圧延工場が同一敷地内に立地していないことから、効率的な操業が課題となっていた。また、圧延工場の年間生産能力30万トンに対し、製鋼工場は同60万トンと差異があることから、製鋼生産量の増産と直送圧延による低コスト化、IF炉などの競合他社に対する競争力強化を目的として、製鋼工場敷地内に圧延工場を建設し、製鋼・圧延一貫生産体制を確立する設備投資を計画していた。
2022年下期以降、利上げや大手不動産開発業者の不正事案に起因した不動産業向け貸出規制の強化による不動産と建設市場の悪化を受け、同計画の実行を見合わせていた。
今回、大きく減退した同国の条鋼需要については底打ちが見られ、今後の回復が見込まれることから、同計画を再開する。

 アルタ・スチール社は2020年3月に買収したカナダ西部地域における唯一の電炉メーカーで、鉱石粉砕用鋼材と鉄筋棒鋼を生産している。
同社では細径(10㎜)の鉄筋を生産品目に加え、鉄筋のラインアップをフルサイズにすることにより、カナダ西部エリアを中心に堅調な鉄筋需要を捕捉し拡販を目指すため、同社買収時から検討していた圧延ラインの能力増強を行う設備投資を計画していた。
工事見積の結果、投資額が概算予算を大幅に上回り、採算を確保できない見込みとなったため、2022年10月に同計画を取り止め、既存圧延工程への改造投資を中心とした代替案を検討していた。
今回、人口増の続くカナダにおける鉄筋市場は今後も成長が期待できると判断し、また顧客から強い要望があるものの、同社の営業品目になかった細径鉄筋への新規参入による拡販を目的として、現状31万ネットトンの圧延能力を37万ネットトンに拡張する設備投資計画を実施する。

■ 設備投資概要

【Vietnam-ItalySteel Joint Stock Company】
総投資額:約8000万米ドル(約120億3400万)
設備投資:圧延ライン新設
生産量:年産50万トン(計画実行後の年間生産能力:80万トン)
生産品目:鉄筋棒鋼、丸鋼
工事開始予定:2023年11月頃
操業開始予定:2025年4月

【Alta Steel Inc.】
総投資額:約3700万カナダドル(約40億6400万円)
設備投資:圧延ライン増強(製鋼工程の効率化、出荷ヤードの設備投資などを含む)
生産品目:鉄筋棒鋼、丸鋼
生産量:年産6万ネットトン(計画実行後の年間生産能力:37万ネットトン)
※単位:ネットトン(NT:約0.907メトリックトン)
稼働開始予定:2024年末

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