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シスメックス、長野県塩尻市に新工場/47億円投資

2023年12月5日

シスメックスは12月4日、子会社で検体検査用の搬送システム製品や周辺装置などの設計・生産を担うシスメックスRAの工場を移転・拡張すると発表した。

 近年、先進国では、医療費抑制などを背景として、臨床検査室運営のさらなる効率化が求められている。そのため、検査機器の機能向上に加えて、測定の前処理・後処理工程や、多様な検査オーダーに対応するための機器間の検体搬送を自動化・迅速化するなど、臨床検査全体のワークフロー効率化への需要も拡大傾向にある。

 シスメックスRAはグループの基幹工場の一つとして、検体検査機器の搬送システム製品をはじめとした臨床検査のトータルソリューションを支える製品の設計から生産までを一貫して担い、直近では世界初の精度管理物質自動測定を実現したシステム製品群などを手がけ、世界中の顧客の効率的な検査室運営に貢献している。

 今回、グローバルでの中長期的な需要拡大に対応し機器生産機能を強化するため、シスメックスRAの工場を移転・拡張する。生産エリアの拡張に加え、部品・ユニットの共通化、生産ラインのフレキシブル化、ロボットを活用した自動化などによる生産効率の向上により、生産能力を約2倍に拡大するとともに、他の同社グループ工場の災害など、有事の際のBCP機能も整備する。

 さらに、既存工場については、新たな技術の実用化を加速するための設計ラボとして再整備し、精密機器メーカーの拠点が集積する長野県の地の利を活かしたオープンイノベーションを推進することで、様々な顧客ニーズを先取りしたオペレーショナルバリューの向上を目指す。新工場では、2040年のカーボンニュートラル達成に向けて、太陽光発電設備の導入など、「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の認定要件も充足させる。

■ 新工場概要

所在地:長野県塩尻市
投資総額:約47億円
敷地面積:14,960㎡
生産品目:検体検査機器と周辺装置等
稼働予定:2025年4月

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