TOPPAN、石川県能美市に新工場/半導体パッケージの増産
TOPPANホールディングスは5日、グループ会社のTOPPANが有機ELディスプレイを製造する(株)JOLEDの能美事業所を取得するため、土地・建屋の売買契約を締結したと発表した。
社会の急速なデジタル化に伴い、データのトラフィック量は年々増加している。このため2.xDパッケージ(チップと樹脂基板の間にインターポーザーと呼ばれる微細配線基板を有する半導体パッケージ)など、高速大容量伝送に対応できる次世代半導体パッケージが注目されている。
TOPPANは現在、新潟工場で高密度半導体パッケージであるFC-BGA(Flip Chip-Ball Grid Array)の生産能力拡大を進めているが、拡大する需要に対して将来的には新潟工場だけでは拡張余地がなく、新たな生産拠点の確保を検討していた。JOLED能美事業所は、次世代半導体パッケージの製造工程に求められる条件を満たしていることから、今回の売買契約締結に至った。
新工場では、主にデータセンターのサーバー向けや生成AI向けの需要増などでさらに伸長が期待できるFC-BGAのさらなる高速伝送やチップレット(大規模な回路を複数の小さなチップに個片化して1つのパッケージに収める技術)に対応する次世代技術開発と量産ラインの構築を行い、2027年以降の稼働を予定している。また、TOPPANの手掛ける既存のエレクトロニクス製品の生産も検討している。
今後は、デジタルツイン(現実空間のモノやデータをデジタル複製する技術)、FAとAI技術を活用し、省人化と生産効率の高い量産ラインを持つ最新鋭の工場として、スムーズな立上げを目指していく。
■ 新工場概要
取得対象:JOLED能美事業所の土地および建物
所在地:石川県能美市岩内町1番地47、能美市莇生町324番地2
敷地面積:99,612.14㎡
建屋面積:100,683.40㎡
売買契約締結日:2023年11月28日
稼働開始予定:2027年以降