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富士フイルム、熊本拠点に60億円投資

2024年1月17日

富士フイルムは15日、電子材料事業を拡大するため、熊本拠点に約60億円の設備投資を行うと発表した。

 今回、電子材料事業の中核会社である富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(FFEM)が、熊本県に立地する同社生産子会社の富士フイルムマテリアルマニュファクチャリングの九州エリア(FFMT九州)に、イメージセンサー用カラーフィルター材料の生産設備を導入する。クリーンルームを設置するとともに、最先端の検査機器を導入し、品質保証体制を構築。静岡拠点と同様の生産・品質保証体制とし、BCP対応を強化することで、安定供給体制を構築する。設備は2025年春の稼働を予定している。

 今後、イメージセンサー用カラーフィルター材料で世界4拠点の生産体制の下、高い品質基準で生産・提供し、顧客ニーズにあった新規製品の市場導入を加速させることで、Wave Control Mosaic(WCM)の売上拡大を目指す。FFMT九州では、半導体製造プロセスの基幹材料であるCMPスラリーを生産する最新設備を2024年1月中に本格稼働させる計画。

 イメージセンサーは、光を電気信号に変えて映像化する半導体で、デジタルカメラやスマートフォンなどに搭載されている。近年、自動車やセキュリティ機器などへの用途が広がる中、イメージセンサー市場は年率約7%成長が見込まれている。

 富士フイルムは、イメージセンサー用カラーフィルター材料を静岡と、台湾の新竹で生産している。また、韓国(平沢)でも同製品の工場建設を進めるなど、生産拠点を拡充している。さらに、高度な機能性分子技術やナノ分散技術などを生かして、可視光領域だけでなく、広範囲な波長領域をターゲットとした製品の開発と市場導入を促進。WCMとして製品展開を図り、ビジネス拡大を進めている。

 富士フイルムは2023年10月、米国の半導体材料メーカーEntegris,Inc.(インテグリス社)の半導体用プロセスケミカル事業を買収した。これにより強化した、幅広い製品ラインアップやグローバルでの安定供給体制、さらには高い研究開発力や顧客との強固な信頼関係も強みに、事業成長を加速させ、2030年度には電子材料事業で5,000億円の売上を目指す。

■ 設備投資概要

場所:熊本県菊池郡菊陽町(FFMT九州の工場内)
総投資金額:約60億円
投資内容:イメージセンサー用カラーフィルター材料の生産設備・検査機器など
稼働開始時期:2025年春

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