テスホールディングス、インドネシアにペレット製造工場
テスホールディングスは23日、連結子会社である PT PTEC RESEARCH AND DEVELOPMENT(以下:PTEC)が農作物残渣由来のバイオマス燃料「EFBペレット」を製造する新工場の地鎮祭を行ったと発表した。
同社グループは、2018年に農作物残渣をバイオマスペレットに加工するための研究開発拠点としてインドネシアでPTEC社を設立し、パーム油産業の代表的な未利用残渣物であるEFB等をはじめとする様々な農作物残渣原料をバイオマスペレット化するノウハウを蓄積してきた。
新工場は、敷地面積約9,000㎡で、年間生産量は約1万トン。操業開始は2025年5月頃を予定している。生産したEFBペレットは、インドネシア国営のパーム農園企業であるPTPNグループが運営する製茶工場向けに供給する。PTPNグループの製茶工場で使用されている燃料の一部をEFBペレットに変更することにより、PTPNグループのパームオイル工場で排出するEFBを有効活用する。インドネシアで、EFBペレットを生産し、地産地消する事例は初めてとなる。新工場はBOT方式での運用としているため、一定の事業期間が終了した後はPTPNグループに新工場の所有権を移転する予定。
インドネシアは世界最大のパーム油生産国であり、パーム油産業は経済を支える重要な基盤となっている。一方で、パーム油を搾油する際に大量に発生するEFBは、肥料や燃料等に利用する以外の大半は有効な活用方法が無いことから未利用のまま放置されており、土壌汚染や腐敗時の温室効果ガスであるメタンガス(メタンガスの地球温暖化係数は約25)の発生が問題視されている。
そのため、パーム油生産国ではEFBの有効活用の方法が模索されている。同社グループでは、これまでにも2022年12月にPTPNグループとEFBペレット製造事業に関する協定書を締結し、インドネシア北スマトラ島で本格的なペレット製造能力(想定製造能力:年間約20万t)を持つ工場建設に向けて事業化調査を行う等、取り組みを進めている。新工場におけるノウハウや実績等を、北スマトラ島で進めている取り組みにも繋げていくことによって、今後、EFBの更なる有効活用を実現していく。
■ 新工場概要
所在地:インドネシア・西ジャワ州
敷地面積:約9,000㎡
事業内容:農作物残渣由来のバイオマス燃料「EFBペレット」の製造
年間生産量:約1万t(予定)
地鎮祭:2024年1月22日
操業開始予定:2025年5月頃