出光興産、千葉事業所に研究所建設/500億円超投資
出光興産は29日、石油・石油化学の基幹製造拠点 千葉事業所(千葉県市原市)内に、新たな統合研究所「イノベーションセンター(仮称)」を新設すると発表した。
現在、複数拠点にまたがる生産技術、開発技術等の研究所をイノベーションセンターに集約し、事業を横断した研究開発体制の構築と社外連携の強化を図ることで、研究開発から分析・解析、実証、プロセスエンジニアリング、商業生産までの一気通貫体制の構築と、事業構造改革に向けた技術開発を加速させる。総投資額は約500億円超、完工は2027年度を計画する。
同社グループは国内に13拠点、海外に4拠点の研究所を有している。このうち、主にGHG削減・資源循環に貢献する中長期的なテーマを扱うコーポレート研究部門、高付加価値の独自素材を扱う高機能材事業の研究部門を中心に、国内の研究機能の大部分をイノベーションセンターに集約する。
機能・設備面では、将来の環境変化に柔軟に対応できる可変性ラボ、研究員同士の協働・共創を促進するワンルームオフィス、世界中のパートナーと共同研究・開発が可能なオープンラボなど、部門・会社を越えて多様な人材が活発に交流できる空間や仕組みを採用する。また、国内最先端のMI・DXに関しても国内外のパートナーとの連携含め先進的な取り組みを行い、研究開発のスピードアップとレベルアップを図る。事業を横断した研究開発体制を構築するとともに社外との連携を強化し、新たな技術・事業の創出に取り組む。
千葉事業所エリアでは現在「CNXセンター化」に向け、SAF(持続可能な航空燃料)の製造・供給に向けた実証、使用済みプラスチックを原料とした油化ケミカルリサイクル、リチウム固体電解質の商業生産に向けた実証などを行っており、イノベーションセンターはこれらの分野ともシナジーを創出していく。
■ 研究所概要
所在地:千葉県市原市姉崎海岸2番地1(同社千葉事業所内)
総投資額:約500億円超
建屋延床面積:約6万㎡(5階建)
主な機能・設備
完工予定:2027年度