ニッスイ、米国とフランスで生産能力増強
ニッスイは14日、北米で水産調理冷凍食品を製造販売するゴートンズ社(米国・マサチューセッツ州グロースター)とフランスをベースにチルドの水産フライを製造販売するシテ・マリン社(フランス・ケルビニヤック)で、海外食品事業の拡大に向け生産能力を増強すると発表した。
ゴートンズ社は、米国の家庭用水産調理冷凍食品のカテゴリーでトップシェアをもち、主力分野のスケソウダラを使用した白身魚フライ商品のほか、エビを使用した商品の拡大にも取り組んでいる。
現在、本社工場を中心とする生産能力は限界に達しており、企業買収も含めさまざまな検討を進めてきた。今回、適地が見つかったことから、新たな生産拠点をインディアナ州に設置する。2025年後半の稼働開始を目指し、生産能力の増強に加え、原料調達・製品販売の物流効率化、付加価値商品の生産増や生産品目の最適化を図る。
シテ・マリン社は、水産素材を使用したチルド・冷凍食品を製造しており、フランス国内のチルド白身魚フライで高いシェアを持っている。また、農産品を使用した代替たんぱく製品の生産・販売も拡大している。
同社はニッスイグループ参画後に急成長しており、それに伴い生産能力を増強してきた。2011年に第3工場(ケルビニヤック)を新設、2015年に生産子会社のキャップ・オーシャン社(ヴァーソン)を設立、2017年には白身魚製品製造のアリオティス社(ロリアン)とエビ製品製造のミティ社(ナント)を買収・資本参加、さらに第5工場(ケルビニヤック)を新設した。
2022年7月にはケラナ・プロダクションズ社(プルメリン)を買収して冷凍とチルド白身魚フライ・代替たんばく製品を生産しているが、今後の成長に向け2025年をめどに同社の生産能力を増強するため、工場の拡張を決定した。同時に配送の効率化、既存工場との生産品目最適化、包装設備の自動化なども行う計画。
■ 設備投資概要
総投資額:約170億円
【ゴートンズ社】
事業内容:家庭用水産調理冷凍食品の製造
稼働開始予定:2025年後半
【シテ・マリン社】
拡張工場:ケラナ・プロダクションズ社
事業内容:水産素材を使用したチルド・冷凍食品の製造
稼働開始予定:2025年