DICは5日、インド子会社のIDEAL CHEMI PLAST PRIVATE LTD.（インド・マハラシュトラ州、以下：IDEAL社）が、自動車用塗料やインフラ建設に使用するコーティング用樹脂の新工場を建設し、稼働を開始したと発表した。

　新工場は、マハラシュトラ州のスパ工業団地に建設。コーティング用樹脂の生産能力を現行の約3倍に増強し、インド含む南アジア・中東地域でのコーティング用樹脂事業のさらなる拡大を目指す。

　DICグループは、インダストリアルポリマーのグローバルでのドミナント戦略を掲げ、コーティング用樹脂事業のグローバル展開に注力している。ターゲット市場であるインドでは、年率9％近い高成長が見込まれることに加え、インド政府は「Make in
India」を掲げ、インド国内で製造する外国企業向けに優遇策を講じるなど、国を挙げて製造業振興を促進している。

　IDEAL社は新工場稼働に伴い、インド国内での需要増加への対応やコーティング用樹脂の現地化提案による事業拡大を目指す。環境面でも、排水は全て工場内で処理し、クリーンな工業用水として再利用するゼロ・リキッド・ディスチャージ（ZLD）システムを採用した。クリーンな天然ガスの採用や省エネルギー製造設備の導入により、環境・安全に配慮した工場運営とCO₂排出削減を目指す。