JX金属、ひたちなか新工場の投資計画変更
JX金属は6日、茨城県ひたちなか市に建設を進めている先端素材分野の新工場について投資内容を一部変更すると発表した。
今回、昨年9月の台風13号で被害を受けた日立事業所(茨城県日立市)の復旧に向けた検討を契機とし、直近の各製品における投資の必要性を踏まえて改めて精査する。
具体的には、限られた平地に多くの設備や施設を有する日立事業所を最大限活用するため、日立事業所の機能の一部をひたちなか新工場へ移転する。また、当初ひたちなか新工場で検討していた圧延銅箔・高機能銅合金条への投資は見送り、2024年度上期に稼働予定の日立新工場(仮称)と既存工場の生産体制強靭化により今後の需要拡大に対応する。一方でひたちなか新工場では、将来的な需要の急拡大が見込まれ収益性が高い半導体用スパッタリングターゲットを中心とした半導体材料を増強する。
投資額の大きい圧延銅箔製造設備の導入を見送ったこと等を主因に、ひたちなか新工場の投資総額は当初計画の約2,000億円規模から約1,500億円規模となる見込みだが、今後の半導体分野の伸長に応じてさらなる投資も検討する。今回見直した部分で当初予定より遅れが発生するものの、同工場の試運転開始は従来計画のとおり2025年度中を目指す。人員規模についても変更はなく、最終的に500名以上を有する同社の新たな一大主要拠点となる予定。
日立事業所については、安全面に配慮しつつ効率的な方法で復旧を図るとともに、将来の成長に向けた先端半導体材料に関する新たな投資を検討していく。
■ 新工場概要(変更後)
名称:ひたちなか新工場
投資総額:当初計画の約2,000億円規模から約1,500億円規模へ変更
人員計画:500名以上
事業内容:半導体用スパッタリングターゲットを中心とした半導体材料の製造
試運転開始予定:従来計画のとおり2025年度中