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武田薬品工業、光工場の70億円新ラインが稼働

2024年3月12日

武田薬品工業は6日、山口県光市の光工場に約70億円を投じて「Entyvio(エンティビオ、日本製品名:エンタイビオ)」の新製造ラインを増設し、商用稼働を開始したと発表した。

 Entyvioは炎症性腸疾患(IBD)の治療に用いられる薬剤で、これまで全世界で約10年、130万人以上の治療に利用されている。光工場は、日本を含むEntyvioの全世界向けのバイアル製品製造の最重要拠点として、事業成長を牽引する重要な役割を担う。

 新ラインの充填工程には、さらなる無菌性保証のため、従来の無菌製剤製造工程に比べて汚染のリスクを大幅に減少できるアイソレータ(無菌状態の密閉環境)の技術を取り入れている。さらに「滅菌済シングルユースシステム」を使用することで、製品の汚染防止を図り、品質保証を向上させている。

 今回の新ライン稼働で、光工場はEntyvioの製造能力を3倍以上に増強し、医薬品製造受託機関(CMO)に委託していたEntyvioのバイアル製剤の製造の大部分を内製化することが可能となり、品質保証のさらなる向上を図る。

 全長約80mの新製造ラインは、製造DXの最新技術を集約。製造状況のリアルタイムモニタリングと集約したビックデータの分析や製造工程へのフィードバック、検査や生産ロスを減らす最新設備やMES(製造実行システム)の導入などで、製造能力の増強とペーパーレスなオペレーション、さらなる品質保証を可能にしている。

 また、新ラインのオペレーターにとって新しい技術であったシングルユースシステムを用いた作業トレーニングにAR技術を活用することで、短期間で質の高い育成を可能にし、商用稼働前の初回製造(プロセスパフォーマンス適格性確認)を逸脱ゼロで成功させ、VR技術を使った無菌環境でのトレーニングにより、どのオペレーターも等しく、Entyvioの製造を可能としている。

■ 設備投資概要

所在地:山口県光市光井武田4720(光工場)
投資額:約70億円
生産品目:Entyvio
製造能力:現状比 3倍以上

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