富士フイルム、北米拠点に1800億円投資
富士フイルムは12日、バイオ医薬品CDMOの中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(フジフイルムダイオシンスバイオテクノロジーズ)(以下:FDB)の北米拠点に約1,800億円(12億ドル)の大規模投資を行うと発表した。
今回、FDBがノースカロライナ州ホーリースプリングス市に建設している新拠点(ノースカロライナ新拠点)に新たな設備投資を行い、抗体医薬品の原薬製造設備を大幅増強する。増強設備の稼働は2028年を予定している。
抗体医薬品市場は、抗体薬物複合体(ADC)や、バイスペシフィック抗体を用いた次世代型の需要拡大も加わり、年率8%成長が見込まれている。同社は、抗体医薬品の生産能力の大幅増強に向けて20,000リットルの動物細胞培養タンクの設備投資を進めている。現在、デンマーク拠点では稼働中のタンク6基に加えて14基、ノースカロライナ新拠点では8基の導入を進行中。
今回、現在増強中の生産能力を上回る抗体医薬品の製造委託ニーズを受け、ノースカロライナ新拠点に、新たに20,000リットルの動物細胞培養タンク8基を導入する。これにより、ノースカロライナ新拠点における同サイズのタンク数を16基まで拡大させ、抗体医薬品の原薬の生産能力を大幅に増強する。ノースカロライナ新拠点は、北米でのバイオCDMO製造拠点として最大級の原薬生産能力を有することとなる。
また、ノースカロライナ新拠点は、原薬製造から製剤化・包装までを一貫して受託できる拠点とするため、現在設備の導入を進めており、原薬の大量製造に限らず幅広い顧客ニーズに対応していく。
さらに、ノースカロライナ新拠点で使用するすべてのエネルギーを、再生可能天然ガスや敷地内の太陽光発電の利用、バーチャルPPA導入による12.5万MWh/年の再エネ電力証書の購入で相殺し、実質的にCO2排出ゼロを実現する。
■ 設備投資概要
所在地:米国・ノースカロライナ州ホーリースプリングス市(ノースカロライナ新拠点)
投資額:約1,800億円(12億ドル)
設備投資内容:原薬製造ライン / 20,000リットル動物細胞培養タンク(8基)の追加導入
新規雇用人数:2031年までに680人
稼働予定:2028年