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ニデック、タイ・アユタヤ工場で生産ライン増強

2024年4月17日

ニデックは15日、サーバー用の水冷モジュールを生産中のタイで、CDU(Coolant Distribution Unit)の生産ラインを増強すると発表した。

 今回のCDU生産能力増強は、北米のAIサーバーメーカーであるSupermicro社への採用を受けてのもので、同社と共同開発した100~250kWの製品を既存ラインを増強したタイのアユタヤ工場で生産する予定で、生産キャパシティを現在の月産200台から2024年6月までに月産2,000台に拡大させる。

 これまで、データセンターや企業、研究機関等で使用する演算サーバーは、ファンによる空冷方式が主流であったが、今後拡大が見込まれるAIでは膨大なデータを基に学習処理を行うためのAI向け半導体演算装置(CPU/GPU)は従来に比べ格段に高い熱を発するため、空調設備に依存する空冷式では、建物内の大量に並ぶサーバーを冷却することができなくなるため、空冷式に対し格段に高い冷却能力を持つ水冷式の冷却システムが今後必須になると考えられている。

 水冷モジュール市場は今後も成長が続くと予想されており、同社は将来的に生産能力を月産3,000台以上への拡大を視野に入れている。また、同社は同関連製品のマーケット規模について2023年度100億円、2024年度には800億円以上を見込んでいる。

 同社の冷却システムはLiquid to liquid方式と呼ばれる冷却システムで、各サーバーに設置された冷却モジュールから金属管を介して冷却水を供給し、各サーバー内の演算装置を直接冷却するもので、CDUと呼ばれる冷却水分配装置と、CDM(Coolant Distribution Manifold)と呼ばれる冷却水配管、LCM(Liquid Cooling Module)と呼ばれる水冷モジュールの3つで構成されている。

 同製品の特長は、システムの信頼性向上のためポンプや電源、回路基板などの重要ユニットが冗長性を持ち、それぞれ二つずつ備えられていること。また保守時にもサーバーの稼働を維持するため冷却システムを停止することなく、それらユニットの交換が可能(ホットスワップ機能)なことが挙げられている。

■ 設備投資概要

所在地:タイ・アユタヤ工場
生産品目:サーバー用水冷モジュール CDU(Coolant Distribution Unit)
生産キャパシティ:現在の月産200台から2024年6月までに月産2,000台に拡大

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