デンカ、千葉工場に70億円投資
2024年5月22日
デンカは21日、千葉工場で低誘電有機絶縁材料「スネクトン」を生産するため、約70億円を投じて生産プラントを建設すると発表した。
同社が開発したスネクトンは、Beyond5G、6Gなどの次世代高速通信で、電気信号の伝送損失を低減させるために素材に要求される低誘電率、低誘電正接を備えており、既に各種高速通信機器の銅張積層板(CCL)や層間絶縁材用途などで高い評価を得ており、今後大幅な需要拡大が見込まれている。
従来のエポキシ樹脂をベースとしたCCLでは、次世代高速通信用途としては伝送損失が課題となっていたが、同社のスネクトンは要求する低伝送損失を実現したことに加え、軟質樹脂でありながら架橋性(耐熱性)も有する特徴を持つ最先端有機素材。
また、完全硬化後も軟質性を有することから、フレキシブル銅被覆板(FCCL)への適用も可能で、PC、スマートフォン、データセンター、携帯電話基地局、ウエアラブル端末、自動車など幅広い分野での活用が期待されている。
同社は2023~2030年度の8カ年を対象とした経営計画「Mission2030」で、「ICT&Energy」分野では800億円の戦略投資枠を定めており、今回の投資はその中でも中核の1つと位置付けて実行する。
■ 設備投資概要
投資拠点:千葉県市原市五井南海岸6(千葉工場)
投資額:約70億円(見込)
主な内容:生産プラントの建設
生産品目:低誘電有機絶縁材料「スネクトン」
竣工予定:2026年度