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帝人、松山事業所で生産ライン増設

2024年6月12日

帝人は10日、松山事業所(愛媛県松山市)でポリカーボネート樹脂「パンライト」シート・フィルムの生産ラインを立ち上げ、6月17日から生産を開始すると発表した。

 近年の自動車業界では、内装のデザイン性の向上や車載機器の高品質化が進んでおり、特に電気自動車などの次世代自動車では、光を透過して必要な時に情報を表示するタッチパネルや、フロントガラスに映像を投影するヘッドアップディスプレイといった光学機器の採用が増えている。

 光学機器には、耐衝撃性や透明性に優れたポリカーボネート樹脂のシートやフィルムが用いられており、内装デザインの多様性や投影する映像の美しさの向上につながる、高品質な製品へのニーズが年々高まっている。

 同社は、ポリカーボネート樹脂からシート・フィルムまでを一貫生産しており、熱劣化の少ない高品質な製品の生産が可能。既に、ポリカーボネート樹脂「パンライト」のシート・フィルム、「パンライト」とアクリル樹脂の複層シート・フィルムを光学機器向けに展開している。

 今回、高品質化ニーズに応えるため、新生産ラインを立ち上げた。新ラインでは、従来品よりも平滑性や表面硬度に優れた厚み100ミクロンから500ミクロンのシートとフィルムの製造が可能。特に、シートやフィルムの製造工程で生じる微細な歪みなどを抑えた平滑性の高さは業界最高水準で、加工が容易で複雑な形状にも対応可能な製品を生産できるという。

 同社は自動車業界だけでなく、近年需要が急拡大するVR/ARといった最先端の電気・電子機器などにも提案を進めることにより、新ラインで製造したシートとフィルムにおいて2027年度には年間25億円の売上を目指す。

■ 新生産ライン概要

場所:愛媛県松山市北吉田町77(松山事業所内)
生産製品:「パンライト」シート・フィルム(単層・複層)
生産能力:年産1,350トン
生産開始予定:2024年6月17日

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