東北エプソン、山形県酒田市に新工場建設
セイコーエプソンは12日、グループ会社の東北エプソンがインクジェットプリンター用ヘッド(プリントヘッド)の生産工場を建設すると発表した。
新棟は約51億円を投じて東北エプソン敷地内に建設し、今月15日着工、2025年9月末の竣工を目指す。将来的には東北エプソンにおけるプリントヘッドの生産能力を現在の4倍程度まで拡大できる見込み。
オフィス・ホーム向けインクジェットプリンターでは、新興国市場や北米での大容量インクタンク搭載プリンターへの需要継続やオフィス向け高速機の伸長から、今後も全世界でインクジェットプリンターの需要増加は継続する見通し。
また、商業・産業向けインクジェットプリンターは、アナログ印刷からデジタル印刷へのシフトに伴い、デジタル捺染など紙以外の分野での需要が高まっている。さらに、商業・産業向けインクジェットプリンターの多くは、「マイクロTFPプリントチップ」を用途に合わせて柔軟に組み合わせた「Precision Core マイクロTFPプリントヘッド」(Precision Coreプリントヘッド)を搭載している。
セイコーエプソンでは、商業・産業向けプリンターや高速ラインヘッド搭載のインクジェット複合機など、今後さらにPrecision Coreプリントヘッドの搭載増加を見込んでいるという。
新棟は、広丘事業所(長野県塩尻市)の「マイクロTFPプリントチップ」前工程の増産に対応するもので、2023年12月竣工の秋田エプソン(秋田県湯沢市)10号棟とともに国内における後工程の生産能力を拡大させる。新規設計の工程による省人化・省スペース化を図り、工程内在庫の最小化や自動運搬ロボットの導入、効率的レイアウトなどにより、作業者の負荷を低減する。
また、東北圏2拠点で安定生産を実現するため機種別生産割り付けを行い、BCP対応として主流機種の両拠点での生産やライン共用による生産変動に柔軟に対応することで、生産性向上を図る。これにより、今後のPrecision Coreプリントヘッド搭載のインクジェットプリンターの需要増加による製品ラインアップを強化する。
■ 新工場概要
名称:6号棟
所在地:山形県酒田市十里塚字村東山166-3
投資額:約51億円(機械・設備除く)
建築面積:5,500㎡(鉄骨造2階建て)
延床面積:11,191㎡
事業内容:インクジェットプリンター用ヘッドの製造と組立(オフィス・ホーム、商業・産業向けプリンター用)
新規雇用者:70名(2025年度見込み)
着工:2024年6月15日
竣工予定:2025年9月末