江崎グリコは17日、生産子会社のグリコマニュファクチャリングジャパン岐阜工場（岐阜県安八町）敷地内で粉ミルクの新工場が稼働したと発表した。

　新工場では、生産設備や倉庫・搬送設備などをネットワーク上で一元管理し、IoT技術を活用して、生産ラインの進捗状況や機器の状態をリアルタイムで把握・監視する。各種センサーを通じてデータを収集し、品質の安定化に活用する。また、原料受け入れにおける自動開封機や、包装資材の無人搬送ロボットなど、一部工程で自動化設備を導入し、作業者の重筋作業を無くすとともに、生産効率の向上を図る。

　品質面では、スプレードライヤーで乾燥・造粒した粉ミルクを、重力を利用してコンテナ状の輸送容器に充填することで、配管を通じて空気で送り込む従来の輸送方法と比較して、粉ミルクが振動や衝撃を受けず溶けやすい形状を保ち、安定した品質を保つことができる。また、缶に粉ミルクを詰める際にも重力を利用するため、同様に品質を損なうことなく包装することが可能となっている。

　環境面では、太陽光発電システムを設置し、工場のエネルギー消費の一部を再生可能エネルギーで賄う。また、再生可能エネルギー由来の電力を100％調達し、新工場での電力使用による二酸化炭素の発生をゼロにする。加えて、フォークリフトの使用水素を燃料とする燃料電池フォークリフトを導入することで、工場内での二酸化炭素の排出削減を進める。