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釧路ウッドプロダクツ、北海道釧路市に国内最大級の製材工場

2024年7月2日

大林組は1日、グループ会社のサイプレス・スナダヤと中部電力が、北海道釧路市で住宅用木構造材の生産販売を行う合弁会社を設立し、国内最大級の製材工場を建設すると発表した。

 国内住宅用木構造材市場は、価格や強度などの点から大半が外国産材製品で占められており、国内の豊富な森林資源は伐期を迎えても多くが有効活用されていない。

 同事業では、輸入材に劣らない品質を持つトドマツなどの北海道産原木を使用した住宅用木構造材を製造販売する。また、流通量の確保とコスト縮減を図るため大型機械を導入して大量生産することで、品質・価格・流通量で輸入材に対抗でき、住宅メーカー各社が取り組む国産材の活用にも貢献する。

 大林グループは、木造・木質化建築におけるサプライチェーン全体を最適化する循環型ビジネスモデル「Circular Timber Construction」を掲げ、川中に位置する製材事業だけでなく、川上の林業支援事業(植林・育林)にも取り組む方針。また、非住宅木造建築市場における木材需要が拡大した際は、新会社でもCLTなどの非住宅用木構造材の製造も検討し、川下に当たる非住宅木造木質化建築事業も強化していく。

 中部電力グループは、地域インフラ事業の一つとして森林事業への参画を掲げている。森林事業への参画を通して、CO2吸収や生物多様性をはじめとした森林の多面的機能向上による流域環境への貢献、林業木材産業の収益性向上や雇用創出による地域経済への貢献、木材の利用促進や脱炭素価値など多様な価値を顧客へ提供する。今後、道内林業関係者との協議を通じて、森林事業の参画に向け、引き続き検討を進めていく。

 合弁会社は2024年10月頃に設立し、大規模な生産体制を実現するため、欧州製の製材機械、木材人工乾燥装置や集成材製造ラインなどを備えた製材、集成材の製造工場を2025年5月に着工し、2027年4月の完成、稼働を計画している。

■ 新工場概要

工場所在地:北海道釧路市
生産設備:原木皮むき機、原木径級選別機、チッパーキャンター製材機械、木材人工乾燥機、集成材製造ライン、ペレット製造機械 ほか
原料:北海道産トドマツ(主体)その他北海道産針葉樹全般
原木消費量:操業1年目約10万m³、2年目約20万m³、3年目約36万m³を計画
生産品目:(主製品)構造用集成材、ディメンションランバー(2×4材)
    :(副製品)製紙用チップ、ホワイトペレット、おが屑
合弁会社設立:2024年10月
製材工場着工予定:2025年5月
完成・生産開始予定:2027年4月

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