東海カーボン、滋賀工場を閉鎖
東海カーボンは16日、国内の黒鉛電極生産を防府工場(山口県防府市)に集約し、滋賀工場(滋賀県近江八幡市)を閉鎖すると発表した。
黒鉛電極事業は、滋賀工場、防府工場の国内2拠点に、欧州(TOKAI ERFTCARBON GmbH)、北米(TOKAI CARBON GE LLC)を加えた世界3極体制で事業を拡大してきたが、世界的な鉄鋼生産の低迷で電極需要が減少していることに加え、日本を含むアジア・欧州・中東市場では、中国・インド勢による低価格製品の流入によって市況が大幅に軟化し、構造不況状態となっている。
こうしたなか、今後の安定供給のため、日欧生産能力の削減を決定した。国内では、防府工場に生産を集約し、2025年7月までに滋賀工場の生産を終了する。出荷能力は年間26,000tから年間12,000t体制とする。合わせて、欧州拠点の黒鉛電極生産能力を約30%削減し、年間30,000tから年間20,000t体制とする。北米拠点では、年間40,000t体制から生産能力の変更はないという。
同社は、2024年2月に公表した3ヵ年中期経営計画「T-2026」で、「主力事業の収益基盤の強化」を基本方針とし、黒鉛電極事業の構造改革の推進を掲げている。黒鉛電極事業は、カーボンニュートラルの潮流のなか、2030年に向けて、大口径品を中心に世界的にも大きな需要が創出される見通し。
今回の生産体制再構築により、抜本的な構造改革を実現し、競争優位性を高め、北米、アジア、欧州市場における大口径品や高品質な黒鉛電極の需要に対応する。滋賀工場に勤務する従業員については、同社国内拠点への配置転換等で対応するとしている。
■ 滋賀工場概要
名称:滋賀工場
所在地:滋賀県近江八幡市長光寺町705番地
生産品目:人造黒鉛電極
従業員数:65名
生産能力:12,000t/年
生産終了予定:2025年7月末