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クボタ、枚方製造所に100億円投資

2024年8月9日

クボタは8日、枚方製造所に100億円投じて、石油化学市場・水素関連市場向け反応管の生産設備を更新すると発表した。

 反応管は、石油由来原料の熱分解や改質などの工程で使用される耐熱鋳鋼製のパイプで、クボタは反応管の世界シェア1位を誇る。

 新興国の経済発展や人口増加を背景にエチレンの需要は旺盛で、アジアを中心とする新規プラント建設や北米での既設プラントの更新などにより、エチレンやプロピレンを製造する工程などで使用される反応管「クラッキングコイル」の需要は引き続き拡大すると見込まれている。

 また、国際エネルギー機関(IEA)の見通しでは世界全体の水素需要は2040年に年間1億3650万tに達するという。日本国内でも2023年に改定された水素基本戦略で年間供給量を2030年に300万t、2040年に1200万t、2050年に2000万tとする目標が掲げられ、現在の推定約200万tからの大幅な拡大が期待できる。そうした環境下で、今後大規模な水素関連のプラント建設が見込まれ、工業用水素を取り出す工程で使用される反応管「リフォーマーチューブ」の需要増加が期待されている。

 同社は2023年9月に増産投資を決定し生産ラインの増設を進めているが、今回の追加投資により、既存の溶解・鋳造設備を最新の設備に置き換え、石油化学市場の旺盛な需要に対応するとともに、カーボンニュートラルの流れの中で市場形成が見込まれる水素関連市場の新たな需要を取り込み、持続可能で強靭な事業体質を目指す。

■ 設備投資概要

所在地:大阪府枚方市中宮大池1-1-1(枚方製造所)
投資額:約100億円(うち溶解・鋳造設備の新鋭化投資は約40億円)
内容:溶解設備(電気炉等)と鋳造設備等の新鋭化、工場建屋の補強
着工予定:2025年
稼働開始予定:2030年

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