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大建工業、三重工場で水性接着剤塗布設備増設

2024年9月5日

大建工業は4日、床材を生産する三重工場(久居工場)のシート化粧床材ラミネートラインに「水性接着剤」の塗布設備を増設したと発表した。

 近年、木質系の複合フローリング市場では、消費者ニーズの多様化に伴うデザイン性や耐久性に優れたシート化粧床材が普及しており、市場シェアの約8割を占める主流製品となっている。中でも、持続可能な建築資材への関心の高まりから、環境配慮やVOC(揮発性有機化合物)排出量を低減するエコフレンドリーな床材が注目を集めている。

 三重工場では現在、シート化粧床材の製造時に使用する、接着力や耐水性などに優れたポリウレタン系接着剤と、環境負荷の低い水性接着剤を使用しており、それぞれ専用のラミネートライン(表面シート張り工程)を各1本ずつ保有している。製品ごとの特性に合わせて両接着剤を使い分けているが、水性接着剤については、接着剤製造過程でのエネルギー消費量やCO2排出量などが抑えられる材料とされており、床材を製造する際には、その使用割合を高めることが環境貢献へとつながる。

 今回、ポリウレタン系接着剤専用ラインに、水性接着剤を塗布する設備を導入し、9月2日から本格稼働を開始した。ポリウレタン系接着剤専用ラインは、水性接着剤を含めた両接着剤に対応できる生産ラインとなり、同工場における水性接着剤の使用割合を現状の7割から9割に引き上げる。

 今後、ポリウレタン系接着剤を使用していた製品について、可能な限り水性への切り替えを進めることで、シート化粧床材の販売を通した環境負荷の低減に貢献する。また、DAIKENグループの他の床材製造拠点では水性接着剤を使用した製品が中心であることから、今回の設備増強により、グループ内での生産品目の共有化がより進むこととなり、有事の際のBCP対応力の強化にもつなげる。

■ 設備投資概要

所在地:三重県津市森町1945番地3(三重工場 【久居工場】)
投資額:約1億5千万円
投資内容:ラミネートラインへの「水性接着剤塗布設備の増設」
ライン能力:ラミネートラインの能力 6万坪/月
導入工事完了・テスト生産開始:2024年8月
本格稼働(通常生産)開始:2024年9月

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