デンソー、善明製作所に新工場建設/690億円投資
デンソーは9日、愛知県西尾市にある善明製作所の敷地を拡張し、新工場を建設すると発表した。
2025年度上期に着工し、2027年1月に竣工、2028年度上期から生産を開始する予定で、工場建屋の総投資額は約690億円を計画している。
新工場では、主に電動化製品や高度運転支援システム(ADAS)製品などを制御する大規模統合ECU(Electronic Control Unit)の生産を担い、今後の市場拡大や顧客ニーズにタイムリーに対応可能な生産体制を構築する。
新工場は、デンソーの次世代工場のコンセプトを、工場の構想段階から織り込んだ初めての工場となる。デジタルインフラと自動化技術の導入により無人稼働を実現するほか、太陽光パネルによる自家発電や水素などを活用し、環境にやさしいカーボンニュートラルな工場を目指す。
工場内では、製品を構成する部品や材料を標準化。設備組み換えが容易な生産ラインと組み合わせ、1つのラインで多品種の生産を実現し、製品の種類や量の変動にスピーディーかつ柔軟に対応する。また、生産設備を構成する部品やユニットを標準化。さらに、加工プログラムでも標準化を進め、ソフトウェアの互換性も高めることで、設備の新設や組み換えといった生産準備にかかる時間を大幅に短縮する。
さらに、工場内に設置したカメラやセンサーで設備やモノの流れを常時監視。設備停止につながる予兆を検知した場合は、遠隔で状況を判断し、設備の停止前に対応することで、生産ラインの24時間稼働を目指す。加えて、生産ラインだけでなく、材料や部品などの荷卸から工場内での搬送、材料の補給・投入、製品出荷のための梱包までを自動化することで無人化を目指す。
■ 新工場概要
所在地:愛知県西尾市善明町一本松100(善明製作所)
総投資額:約690億円
敷地面積:約510,000㎡
工場面積:約56,000㎡
生産品目:電動化とADAS制御用ECUの製造
着工予定:2025年度上期
竣工予定:2027年1月
生産開始:2028年度上期