多摩川ホールディングスは10日、孫会社の多摩川電子ベトナムが移転用地として取得した工場用地に新工場を建設すると発表した。

　現在、多摩川電子ベトナムでは主にモバイルインフラ市場向けの製品を製造し、親会社の多摩川電子に出荷しているが、今後インフラシェアリング機器については更なる増産が求められている。また、昨年8月に多摩川電子ベトナムはベトナム国から2023年優良企業TOP20に選ばれ、知名度が飛躍的に向上した結果、ベトナム国の通信インフラ向けの引合いと受注が増加している。

　現在、既存工場ではフロアやスペースを拡張する余地がなく、周辺地域では工業団地が増えたため、生産要員の新規採用が困難となっている。こうした状況から、人材確保が比較的容易にでき、かつ十分な広さの土地が確保できる新工業団地で新たに工場を建設する。また、新工場はハノイ市内からのアクセスも良く、2時間から2時間半の移動時間が1時間弱となり、課題となっていた通勤時間の短縮と交通事故リスクの低減を図る。

　新工場では今後増大が予測されるベトナム国内や周辺国からの新規需要に対応するため、信頼性評価を自社で行うためのスペースの確保、設備導入などのR&D環境の構築も行っていく予定。