JFEスチール、西日本製鉄所の第Ⅰ期増強工事完工
JFEスチールは26日、西日本製鉄所(倉敷地区)で進めていた高級無方向性電磁鋼板の第Ⅰ期製造能力増強工事が完工し、工程生産を開始したと発表した。
カーボンニュートラルに向けた取り組みが全世界的に進む中、自動車の電動化に向けた流れが高まっており、日本国内をはじめ、北米や欧州を中心に電動車の駆動モータに不可欠な高級無方向性電磁鋼板に対する需要が増加している。
同社は、自動車の電動化拡大に伴い、高級無方向性電磁鋼板に対する全世界的な需要増の継続を見据え、無方向性電磁鋼板の供給能力を増強している。2026年度中には、電動車主機モータ用トップグレード無方向性電磁鋼板の製造能力を現行比3倍にする計画で、現在第Ⅱ期設備増強工事を進めている。
このほか、世界的なエネルギー利用の高効率化と再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力需要の増加を見据え、方向性電磁鋼板の供給能力増強として、同社は2024年2月にJSW Steel Limitedとともに、インドにおける方向性電磁鋼板の合弁会社JSW JFE Electrical Steel Private Limitedを設立し、インド国内で方向性電磁鋼板の一貫製造体制の構築を目指している。2027年度のフル生産開始を計画しており、伸張するインドの方向性電磁鋼板マーケットにあわせ、さらなる生産体制を拡充する。
■ 設備投資概要
【第Ⅰ期電磁鋼板製造設備増強】
総投資額:約490億円
製造能力:電動車主機モータ用トップグレード無方向性電磁鋼板(NO)の製造能力を現行比2倍に増強
完工:2024年7月
工程生産開始:2024年9月
【第Ⅱ期電磁鋼板製造設備増強】
総投資額:約460億円
製造能力(予定):電動車主機モータ用トップグレード無方向性電磁鋼板(NO)の製造能力を現行比3倍に増強※第Ⅰ期分含む
稼働予定:2026年度中