カナデビア、山梨県都留市に新工場建設
カナデビアは19日、固体高分子(PEM)型水素発生装置の中核機器となる水電解スタックの量産工場を山梨県都留市に建設すると発表した。
設備投資額は総額80億円で、水電解スタックを年産1GW生産する。この投資は、中期経営計画「Forward25」の1,400億円の重点投資の一環であり、経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」にも採択されている。
新工場は、部素材のストックヤード、セル積層エリア、スタック組立エリア、エージングエリアなどから構成され、画像診断などのDX技術を導入するなどスタック製造工程の自動化と省力化を図り、トレーサブルな製造管理システムを構築する。2025年早々に設備設計に着手し、2028年度末までの完成を予定している。
今回の設備投資は、水電解スタックの量産化を通じて製品の競争力を強化し、水素発生装置の国内外販売や水電解スタックの供給、アフターサービス事業を展開を目的としている。また、脱炭素関連製品とのシステム統合によるソリューション提供を国内外で進め、新設する国内マザー工場を起点に国内外に水素発生装置の製造拠点を順次展開し、製造拠点を拡大させる。2030年代に水素関連事業で売上高1,000億円以上、2040年代には2,000億円以上を目指している。
水素発生装置の世界導入容量は2024年末に5GW、2030年には230GW、さらに520GWまで拡大が予測されている。日本などの水素先進国は、水素社会の実現に向けた需要拡大を課題とし、政策支援を進めている。今回の設備投資は、この過渡期を好機と捉え、大型装置の産業需要や脱炭素化の社会実装に対応し、水素社会とカーボンニュートラルの実現に貢献を目的としている。
■ 新工場概要
建設地:山梨県都留市厚原地内(新工業団地)
投資額:約80億円
生産機種:PEM型水素発生装置の水電解スタックとシステム(将来計画)
生産能力:1GW/年以上(電解効率5kWh/Nm3として製造水素換算15万7千トン/年)
従業員数:約100人(操業開始時)
設備設計着手:2025年初め
完成予定:2028年度末