三菱電機、米国に空調機器用圧縮機の新工場
三菱電機は12月13日、米国での空調冷熱システム事業の拡大を目的に、米国持株会社である三菱電機USホールディングス傘下に新会社MELCO HVAC US, Inc.(以下:MEHVAC)を設立したと発表した。
MEHVACは、米国ケンタッキー州メイズビルにある三菱電機オートモーティブ・アメリカの既存製造拠点を転用し、約143.5百万ドル(約220億円)を投じて空調機器用圧縮機の製造工場を設立する。現地生産体制を強化し、需要変動への対応力向上とリードタイム短縮による競争力強化を目指す。
空調冷熱システム市場は省エネ化や低GWP(地球温暖化係数)冷媒化の進展、化石燃料からのエネルギーシフトによる需要増加が背景にあり、今後も成長が見込まれている。同社はこの市場環境を踏まえ、空調冷熱システム事業を重点成長事業として位置付け、現地開発と地産地消体制の強化を進めていた。今回の新会社設立により、さらなる事業基盤の強化と米国市場での拡大を目指す。
新工場には米国エネルギー省から約50百万ドルの補助金とケンタッキー州の経済補助を活用し、脱炭素化を意識した生産拠点とする方針。年間100万台の家庭用空調機器用圧縮機を生産し、2027年10月の稼働を目指す。安定的な製品供給と現地ニーズに即した製品提供を進め、ヒートポンプ式空調機の普及拡大と市場競争力強化を図る。
■ 新工場(MEHVAC )概要
社名:MELCO HVAC US, Inc.
事業内容:空調機器用圧縮機の製造
所在地:1705Downing Drive,Maysville,Kentucky41056,U.S.A.
出資比率:三菱電機USホールディングス:100%
投資額:約143.5百万USドル(約220億円)
敷地面積:約103,045㎡
延床面積:約44,126㎡
生産品目と生産能力:家庭用空調機器用圧縮機を中心に年間生産能力100万台予定
脱炭素化への取り組み:断熱強化や省エネルギー機器(LED照明、空調機器、高効率ボイラー)の採用によるCO2排出抑制
SDGsへの取り組み:太陽光パネル設置
生産開始予定:2027年10月