旭化成、水素関連事業で350億円規模の設備投資
2024年12月19日
旭化成株式会社は12月18日、川崎製造所でグリーン水素製造用水電解システムの供給体制を拡大させると発表した。
2030年の世界の年間水電解槽導入容量は約31GWに達することが推定されており、化石燃料に替わるクリーンエネルギーとして、水電解によって製造されるグリーン水素に対する期待が高まっている。足元の市場拡大は、再生可能エネルギーの価格の高さや各国の支援策の遅れなどにより、従来の予想より遅れることが見込まれているが、そうした状況下でも同社は、グローバルな競争力を確保するため、水電解装置市場の急拡大に向けた野心的な取り組みとして、生産能力の増強を行う。
同プロジェクトは、水素関連事業を含むグリーントランスフォーメーション(GX)分野において、経済産業省が公募したGXサプライチェーン構築支援事業に採択された。同事業による支援の下、川崎製造所で電解用枠と電解用膜についてそれぞれ2GW以上の年間生産能力を持つ製造設備を新規構築する。
同社の設備投資額は総額350億円規模となり、最大114億円の助成を受ける予定。同生産設備は、グリーン水素製造用製品とともに、同社のイオン交換膜法食塩電解プロセス用の電解用枠と電解用膜も併産できる生産体制とし、2028年度の稼働を目指す。これにより、同社が既に保有する食塩電解プロセス向け設備の生産能力と合わせて、少なくとも年間3GWに対応可能な製造能力とする計画。
■ 設備投資概要
所在地:神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3(川崎製造所)
設備投資額:総額350億円規模
事業内容:電解用枠と電解用膜の製造
生産能力:年間2GW以上
稼働開始予定:2028年度