島津製作所、インドに新工場建設
島津製作所は20日、インド・カルナタカ州に製造子会社Shimadzu Manufacturing India Private Limited(SMI)を設立し、新工場を建設すると発表した。
インドは2023年に人口が世界1位となっており、2060年頃まで増加するとみられている。GDP(国内総生産)も2027年に世界3位(現5位)となると予想されている。島津製作所の注力領域であるヘルスケア・グリーン・マテリアル・インダストリーでも、後発薬(ジェネリック医薬品)の世界的な生産地域であるほか、EV・半導体の自国生産も進むと見込まれている。
島津製作所はこれまで、日本とマレーシアのShimadzu Malaysia Sdn.Bhd.(SML)からインドへ供給していた。新工場建設でサプライチェーンの強化とともに国産品優遇策(Makein India)に対応する。SMIでは2027年から液体クロマトグラフ(LC)、ガスクロマトグラフ(GC)、紫外可視分光光度計(UV)、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)の製造を開始する。将来は計測機器だけでなく、医用機器や産業機器の製造も検討する。
また、インドで計測機器と医用機器の販売会社を統合し、Shimadzu India Private Limited(SIP)を2025年夏に設立する。新販売会社SIPは同社のアジア統括会社Shimadzu(Asia Pacific)Pte.Ltd.(SAP)の100%出資による孫会社となる。これまでインドでは計測機器と医用機器の販売会社が別々に運営されていたが、統合により病院などの顧客との協力関係を強化し、臨床領域での事業展開力と顧客満足度の向上を図る。
新製造会社SMIと新販売会社SIPの設立により、インドで2035年には約470億円(2023年比約2.6倍)の売上高を計画している。
■ 新工場・新会社概要
名称:Shimadzu Manufacturing India Private Limited(略称:SMI)(同社100%出資)
所在地:インドカルナタカ州ベンガル―ル
設立予定:2025年3月末
敷地面積:40,000㎡
建屋面積:5,500㎡
業務内容:精密機器の製造
人員:初年度50名
竣工・稼働開始予定:2027年春頃