日精樹脂工業、米国テキサス工場で生産能力増強
日精樹脂工業は17日、米国テキサス工場(Nissei America, Inc.)で生産能力の増強工事が完了したと発表した。
同社は、射出成形機のグローバルサプライヤーとして市場に近い生産基地で、各市場ニーズに合った最適機種を生産する方針のもと、日本、中国、タイ、米国、イタリアの世界5極によるグローバル生産体制を構築している。
米国工場については、北米市場に向けて大型射出成形機を短納期で安定供給するため、2016年11月に生産子会社を設立し、2018年3月から工場の稼働を開始した。開業当時の米国では、第一次トランプ政権における対中国の追加関税や米国内への生産回帰の動きが強まる中で、Made in USAのハイブリッド式大型射出成形機の組立てを進め、これまでに200台以上の米国製大型機を北米・中南米市場に供給している。
これまでは、型締力5,500kN(560トン)~12,800kN(1,300トン)までの大型機を生産してきたが、北米市場では自動車産業や住設・建築資材向けを中心に、さらなる超大型機設備への要望が多く寄せられていたことから、2023年3月に米国工場の拡張を決定。この増床工事により同29,400kN(3,000トン)クラスの超大型機まで組立可能な工場へと増強された。
米国では第二次トランプ政権のスタートを目前に控え、日本を含めた世界各国ではトランプ大統領の関税引き上げに注目が集まっているが、同社は、今回の工場増強によりMade in USAのラインナップを拡充し、米国市場におけるプレゼンスをさらに高める。また米国現地法人のNissei Americaは、2021年に製販一体運営の体制を整えていることから、引き続き顧客ニーズにきめ細かく的確に対応し、顧客満足度の向上を図る。
■ 米国現地法人・増築概要
社名:Nissei America,Inc.
所在地:3730Global Way,San Antonio,TX78235,U.S.A.(米国テキサス州サンアントニオ市ブルックスシティーベース工業団地内)
事業内容:射出成形機の製造・販売
出資比率:日精樹脂工業(株)100%
資本金:3,170万USドル
敷地面積:36,500㎡
建屋面積:13,521㎡(既存スペースを含めた工場全体)
◇ 増築概要
建屋面積:2,841㎡(増築スペース)
稼働開始予定:2025年2月