工場・物流施設を中心とした設備投資情報を配信

ブリヂストン、関工場に新プラント建設

2025年2月4日

ブリヂストンは1月30日、関工場(岐阜県関市)敷地内に使用済タイヤの精密熱分解パイロット実証プラントを建設すると発表した。

 ブリヂストンは使用済タイヤを精密熱分解し、分解油や再生カーボンブラックを回収してタイヤ原材料として再利用するケミカルリサイクル技術の社会実装を目指している。今回のパイロット実証プラントでは、精密熱分解プロセスの確立と最適化に関する技術実証を行う。同社はこれを中期事業計画(2024-2026)における「新たな種まき」と位置付けている。

 このプロジェクトは2022年2月にNEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に採択された「使用済タイヤからの化学品製造技術の開発」の研究開発テーマの一つであり、ENEOSと進めている共同プロジェクトの一環だという。さらに、2024年12月にNEDOに採択された東海カーボンの実証事業「使用済みタイヤを含む高分子製品からのカーボン再利用技術の開発」にも、同プロジェクトで得られる再生カーボンブラックが活用される。

 ブリヂストンは2022年から使用済タイヤのケミカルリサイクルに取り組んでおり、2023年には東京都小平市のBridgestone Innovation Park(BIP)に実証機を導入し、使用済タイヤの精密熱分解試験を実施してきた。回収した分解油をリサイクルオイル化し、合成ゴムの素原料であるブタジエンなどの化学品を製造し、再生カーボンブラックとともにタイヤ原材料として再利用する資源の循環を目指している。

 今回の実証プラントは、BIPに導入した実証機で得た精密熱分解の基盤技術を実装しており、安定した連続運転に必要なプロセス設計や品質管理の知見を獲得し、分解油や再生カーボンブラックの量産を想定したスケールアップ技術の確立を目指す。また、技術開発と併せて、プラント操業のノウハウ構築やケミカルリサイクルを支える人材の育成も推進する。

■ パイロット実証プラント概要

所在地:岐阜県関市新迫間20(ブリヂストン関工場)
最大処理能力:使用済タイヤ7,500トン/年
着工予定:2025年11月
稼働開始予定:2027年9月

このエントリーをはてなブックマークに追加