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黒瀬水産、本社工場でブリ加工設備増強

2025年2月12日

ニッスイは4日、グループ企業でブリ養殖事業を行う黒瀬水産が本社併設の加工場「食品加工本部加工場」を増強して加工能力を拡大したと発表した。

 黒瀬水産では、2023年6月の旧さつま水産(ニッスイグループのブリ・カンパチ養殖企業)の吸収合併により漁場や養殖尾数枠を確保していたが、加工能力の拡充が課題となっていた。

 今回、既存の加工工場を増改築して増床と新規設備を導入し、今後主力とする生鮮ブリのスキンレスフィレ(皮をとった三枚おろし)やロイン(四つ割り)の加工を機械化・ライン化して高度加工品の加工能力を高めた。さらにフィレラインを1ライン増設し、年間加工能力を3割程度上乗せした。また、出荷口を自動化・機械化し、かつパレット輸送や45フィートトレーラーへの積み込みが可能な仕様に変更して出荷作業の円滑化を図っている。

 黒瀬水産は、一年間を通して脂がのった完全養殖の「黒瀬ぶり」を生産している。同社が育種・孵化した人工種苗のブリを宮崎県と鹿児島県の漁場で育成し、水揚げ後は同社の加工場で短時間のうちに加工して国内外に出荷している。2022年度には出荷の全量を完全養殖とし、天然の稚魚に依存しないサステナブルなブリ養殖事業に転換している。

 現在、国内ではチルド出荷の生鮮品「活じめ黒瀬ぶり」として、量販店鮮魚売場・鮮魚小売などに、海外向けには冷凍品としてヨーロッパなどに販売している。今後はフィレのほか高次加工品であるロインを増産して、外食などの業務用ルートの開拓にも取り組み、国内外の多様な業態に向けて拡販していく。

 また、生鮮魚の需要変化や市場の変化に対応しながら、年間300万尾の出荷を実現する一方で、加工残渣の低減や効率的な再利用を推進し、環境配慮の取り組みも強化していく。

■ 設備投資概要

所在地:宮崎県串間市西浜2丁目15番地4号
延床面積(増築後):2,180㎡
主要生産品目:フィレ(生鮮・冷凍)・スキンレスフィレ・ロイン・ドレス
年間加工能力:3割程度増
竣工:2025年1月31日
稼働開始:2025年2月1日

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