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いすゞ自動車、米国サウスカロライナに新工場建設

2025年2月13日

いすゞ自動車は12日、北米における商用車の電動化を見据えた車両供給体制の強化を目的に、米国サウスカロライナ州に新たな生産拠点を立ち上げると発表した。

 総投資額は約2.8億ドルを想定しており、稼働開始は2027年中となる計画。従業員数は700人以上となり、2030年時点での年間生産能力は約5万台を予定している。

 新拠点では、商用車における中長期的な電動化の流れを見据えながら、内燃機関車の需要にも対応可能な変種変量生産方式を導入する。具体的には、いすゞグループ初となるコンベアレス・ピットレス式を採用し、柔軟性と拡張性を備えた最先端の生産ラインとなる。また全工程での品質保証体制構築を目的に、検査の自動化による作業ミスの防止、部品のトレーサビリティ、不良品流出防止のための画像検査等を導入する。

 いすゞ自動車は1984年に北米市場へ参入し、2023年度には過去最高の4.4万台を販売した。今後、北米の商用車市場におけるバッテリーEV(BEV)の需要増加を見据え、必要な部材の現地調達を進め、北米事業の拡大を目指す。

 いすゞグループは2024年4月に中期経営計画「ISUZU Transformation-Growth to 2030(IX)」を発表し、自動運転ソリューション、コネクテッドサービス、カーボンニュートラルソリューションの3領域を将来の新たな収益源として、2030年代には売上高1兆円規模の事業へと拡大を目指している。また、IXでは北米をBEVビジネスの先駆けとなる地域と位置付け、昨年8月、小型BEVトラックの市場投入に合わせ、コネクテッドサービスの展開を開始するなど、北米事業の拡大に向けた動きを加速させている。

■ 新工場概要

場所:米国サウスカロライナ州グリーンビル郡
投資総額:約2.8億ドル(想定)(約430億円※2025年1月末時点1ドル=155円で換算)
敷地面積:約750,000㎡
工場建屋面積:約93,000㎡
生産車両:Nシリーズ:BEV/ガソリンモデル Fシリーズ:ディーゼルモデル
年間生産能力:約5万台(2030年時点計画値)
従業員数:700人以上(2028年時点計画値)
稼働開始時期:2027年内(計画)

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