ジャパンディスプレイ、茂原工場でパネル生産終了
ジャパンディスプレイは12日、茂原工場(千葉県茂原市)での生産を終了し、AIデータセンターとして活用すると発表した。
生産終了と併せて、国内生産を石川工場(石川県能美郡)に集約し、同工場をG4.5+G6の基板サイズに対応したMULTI-FAB工場へ転換する。これにより、高付加価値ディスプレイ、センサー、先端半導体パッケージングの同時生産を行い、生産性とコスト競争力を向上させる。
茂原工場については、AIデータセンターとしての活用を見据え、資産売却を主眼に多数の企業と交渉中。工場従業員の処遇については協議を進めており、決定次第公表する。また、同工場で生産中の車載用パネルは、作り溜めや石川工場への生産移管を行うほか、ファウンドリーパートナーからの調達も検討する。OLEDディスプレイの自社生産は終了するが、eLEAPパネルの委託生産に向けた交渉を進めている。
石川工場では、固定費が茂原工場の約4分の1であり、G4.5基板が先端半導体パッケージングやセンサーの生産に適している点が利点。茂原工場のG6液晶セル工程の設備を移設し、G6基板の調達を行うことで、競争優位性の高い製品に特化し、収益改善を図る。
さらに、石川工場における先端半導体パッケージング生産については、同日発表したテック・エクステンション(東京都)とPanelSemi Corporation(台湾)との資本業務提携を活用し、コスト競争力の高い半導体パッケージングを提供する計画。
茂原工場の生産終了により、年間最大約250億円の固定費削減が見込まれる。経営資源の最適化により、早期の業績改善と持続的成長を目指す。
■ 茂原工場概要
名称:茂原工場(第6世代製造ライン)
所在地:千葉県茂原市早野3300
事業内容:液晶とOLEDディスプレイの開発、設計、生産
従業員数:1,323名(2025年1月31日現在)
パネル生産終了:2026年3月を目途