日本製紙、石巻工場内に世界最大級のセルロースナノファイバー量産設備建設
2016年5月19日
洋紙・板紙・パルプなどの製造を行う日本製紙(東京都千代田区)は18日、宮城県石巻市石巻工場内に、世界最大級となるセルロースナノファイバー(以下:CNF)を大量生産する設備を建設すると発表した。
新設備はTEMPO触媒酸化法により化学処理した木材パルプからCNFを量産する設備。投資金額は16億円、設備能力は年間500トン、2017年4月稼働開始を予定する。
同社は07年から本格的にCNF製造技術の開発に取り組み、13年10月には岩国工場に年間生産能力30トンの実証設備を設置。15年には抗菌・消臭効果のある金属イオンをCNF表面に大量に担持させ、シート化することに成功しており、この技術を用いて同社グループの日本製紙クレシアは、世界で初めて機能性CNFを使用したヘルスケア商品を実用化している。
今後は、実用化した抗菌・消臭機能を持つ機能性CNFの利用拡大に努めるとともに、CNFの特徴的な粘性や保水性を活かした「機能性添加剤」用途についても実用化する予定。
■ 設備増強概要
所在地:宮城県石巻市南光町2-2-1(石巻工場内)
投資額:16億円
主な生産品目:TEMPO酸化CNF
設備能力:500トン/年
稼働開始予定:2017年4月