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出光興産、千葉事業所に硫化リチウム大型装置建設

2025年3月5日

出光興産は2月27日、全固体リチウムイオン二次電池の材料である固体電解質の量産に向け、千葉事業所に硫化リチウムの大型製造装置(Li2S大型装置)を建設すると発表した。

 固体電解質の重要な中間原料である硫化リチウムの製造能力を世界トップクラス(蓄電池3GWh/年相当)に拡大させる。原料から中間原料、製品までの一貫したバリューチェーンを構築する自動車メーカーや電池メーカーのニーズに着実に応え、2027~28年の全固体電池の実用化を目指すとともに、その先の固体電解質の事業化を加速させる。

 建設予定地は同社の千葉事業所敷地内で、2027年6月の完工を予定している。経済産業省から「蓄電池に係る供給確保計画」として認定され、総事業費の約213億円のうち、約71億円が最大助成額として予定されている。

 全固体電池は、電解質が固体であるため、従来の液系電池と比較しイオンがより速く動ける特徴を持つ。そのため、全固体電池を搭載したEVは、充電時間のさらなる短縮や出力向上といったポテンシャルが見込まれる。また、高電圧・高温に強いため、エネルギー密度の向上や長寿命化も期待できるという。

 同社では現在、2つの小型実証設備が稼働しており、これらに続けて、2024年10月には大型パイロット装置の基本設計を開始した。今後、固体電解質の量産を進めるため、中間原料の硫化リチウムも量産化が必須であることから、Li2S大型装置の建設を決定した。

■ 設備投資概要

建設予定地:千葉県市原市(千葉事業所)
総事業費:約213億円(うち、約71億円の最大助成額)
設備:硫化リチウムの大型製造装置(Li2S大型装置)
完工予定:2027年6月

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