大日本印刷、有機ELパネル用蒸着マスクの生産能力増強/60億円を投資
2016年5月23日
印刷大手の大日本印刷(東京都新宿区)は19日、有機ELディスプレーの製造に使用する蒸着マスク(メタルマスク)の生産ラインを広島県三原工場内に増設すると発表した。
メタルマスクは、RGBの有機EL発光材料を基板に付着させる際に用いる微細な開孔がある金属製の部材で、高精細化、大画面化が進むモバイル機器では、鮮やかな映像を映し出すために重要な部材となる。同社製のメタルマスクは、独自の高度なフォトリソグラフィ技術やエッチング技術を活かして製造し、高品質・高精度が市場で高く評価されている。
有機ELパネルの市場規模は、20年には15年の約3倍近い6億8200万枚にまで拡大すると見込まれている。市場の急速な拡大に対応して、有機ELパネルメーカーも積極的な設備増強の計画を進めており、同社もその需要に対応し、20年まで継続的に60億円を投資。生産能力を3倍に引き上げる。また、生産能力の拡大に加えてメタルマスクのさらなる高精細化にも対応していく。今後、同社売上高は20年に300億円を目指すとしている。
■ 設備増強概要
所在地:広島県三原市沼田西町小原73-1
投資額:60億円(2020年まで)
生産品目:有機ELパネル用蒸着マスク
生産能力:現在の3倍