昭和電工、大町事業所でEV向けリチウムイオン電池材料の生産能力増強
昭和電工(東京都港区)は16日、リチウムイオン電池(LIB)材料用カーボン負極材SCMG®の生産能力増強を決定したと発表した。
増強設備の本格稼働予定は16年末。能力増強により、大町事業所における生産能力は現在より50%増の年間1,500トンとなる予定。加えて、6月からは中国における委託生産も開始している。
LIBは、スマートフォンやタブレット向けをはじめとする小型用途に加え、電気自動車(EV)向けの大型用途での採用が拡大。特に中国では、政府の排ガス規制強化と補助金助成や環境負荷に対する意識の高まりを背景に、近年EVやEVバス向けLIBの需要が大きく伸長している。
EV向けは1台あたりに搭載されるLIB容量が大きく、使用される材料も多くなる。今後、EVの普及に伴い、LIB材料市場は拡大を続け、20年の市場規模は2兆円程度になると見込まれている。
SCMG®は低抵抗や長寿命を特長とし、EV用途において高い性能を発揮。また、今後の市場拡大が期待されるアイドリングストップ用途においても高い評価が得られている。今回、顧客からの旺盛な需要に応える為、能力増強を決定した。
16年1月からは正極用カーボンコート箔SDX®の中国における委託生産も開始。SDX®は低抵抗で正極材料との密着性に優れているため、充放電特性が高まり、正極材に添加する導電助剤やバインダーの使用量を抑えることができる。SCMG®と同様、EV用途での需要が高まり、供給能力の拡大が必要なことから、中国での生産を開始した。
■ 設備増強概要
所在地:長野県大町市大町6850(大町事業所内)
主な生産品目:SCMG®(リチウムイオン電池(LIB)材料用カーボン負極材)
生産能力:1,500トン/年
本格稼働開始予定:2016年末