東レ、韓国のPPS樹脂新工場が竣工
2016年7月11日
東レ(東京都中央区)は7日、韓国における100%子会社のToray Advanced Materials Korea Inc.が建設を進めていた、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂「トレリナ」を生産する新工場が竣工したと発表した。
PPS樹脂は、耐熱性や耐薬品性、機械的強度、難燃性等に優れた「スーパーエンプラ」で、自動車の電装部品や電機・電子機器、OA機器、住設関連部品等に使用され、採用領域が更に拡大している。
新工場は、東レグループとして初となる海外でのPPS樹脂生産拠点。PPS樹脂の主原料である水硫化ナトリウム(NaSH)、パラジクロロベンゼン(p-DCB)も自製することで、コスト競争力を有した主原料からポリマー、コンパウンドの一貫工場となる。
年産8,600トンの重合設備を有し、今回の稼働により既存の東レ東海工場とあわせた東レグループとしてのPPS樹脂重合能力は年産27,600トンまで拡大する。
また、既に15年10月からは、樹脂に機能性の加工を施すためのコンパウンド設備を先行して導入しており、年産3,300トンの能力で顧客への出荷を行っている。
今後、新工場で生産したPPS樹脂は、韓国内消費分だけでなく、中国を中心とした東レグループの各コンパウンド拠点へ供給し、グローバルな事業拡大を進めていく。
■ 新工場概要
会社名:Toray Advanced Materials Korea Inc.
所在地:大韓民国全羅北道群山セマングム産業団地
生産品目:PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂 「トレリナ®」
竣工式:2016年7月6日