東レ、100億円を投じてメキシコで自動車エアバッグ用ナイロン繊維製造
東レ(東京都中央区)は7月28日、メキシコ合衆国の子会社 Toray Advanced Textile Mexico, S.A.de C.V.(トーレ・アドバンスド・テキスタイル・メキシコ(以下:TAMX)で、自動車エアバッグ用ナイロン繊維およびエアバッグ基布の事業化を決定したと発表した。
TAMXは、東レのラージトウ炭素繊維製造子会社であるZoltek Companies, Inc.のメキシコ工場敷地内に、約100億円を投じて年産約10千トンのエアバッグ用ナイロン繊維生産設備とエアバッグ基布生産設備を導入し、18年3月から稼働を開始する計画。
メキシコは広範な自由貿易網や米国と隣接する地理的優位性を活かし、自動車の生産拠点として急成長している。近年、メキシコにはエアバッグ縫製メーカーも数多く進出しており、米州のエアバッグ基布の需要はメキシコを中心に今後も大幅に増加すると予想されている。
しかし、主要なエアバッグ基布メーカーは全て米国に立地しており、エアバッグ縫製メーカーからは物流合理化や現地調達率向上の観点から、メキシコ国内における基布生産への要望が高まっていた。
今回のメキシコでの生産拠点新設はこうしたニーズに対応するものであり、世界有数のエアバッグ基布市場である米州に原糸・基布の一貫生産体制を構築することで現地供給力を強化し、アジア、欧州も含めた世界の旺盛なエアバッグ基布需要の取り込みを図る。
生産拠点にメキシコを加えることにより、同社の強みである、全ての拠点から同品質のエアバッグ基布をタイムリーに供給できるグローバル生産体制を一層強固にするとともに、 原糸から基布まで一貫して手掛けることにより事業拡大を加速させ、20年にはエアバッグ基布で世界シェアナンバーワンを目指す。
■ 設備投資概要
会社名:Toray Advanced Textile Mexico, S.A.de C.V.
所在地:メキシコ合衆国ハリスコ州(Zoltek Companies, Inc. メキシコ工場敷地内)
投資額:約100億円
生産品目:エアバッグ用ナイロン繊維、エアバッグ基布
生産能力:約10,000トン/年
稼働開始予定:2018年3月