太平洋セメント、岩手・大船渡工場内に木質バイオマス発電所を建設/総事業費は235億円
セメント大手の太平洋セメント(東京都港区)は7月29日、イーレックスとの共同出資により、岩手県大船渡市にある大船渡工場敷地内に大船渡発電(株)を設立し、木質バイオマス発電所を建設すると発表した。
同事業は、大船渡市赤崎町に所在する太平洋セメント大船渡工場敷地内に、新会社が国内最大規模の発電規模75MW(再熱式蒸気タービン採用)の発電設備を建設し、「再生可能エネルギー固定価格買取制度」を利用して電力卸事業を行うもの。
発電所建設は2016年度より着手、2019年秋に完成し、以後20年にわたり発電・売電する計画。
主なバイオマス燃料は、パーム椰子殻(以下:PKS)を予定しているが、近年のバイオマス発電事業への参入増を踏まえた燃料の多様化に対応するため、太平洋セメントはパームオイル搾油工程で従来廃棄されていたパーム空果房(以下:EFB)に着目し、サラヤ(株)、Rematec & KSN Thailand Co.Ltd(タイ国)およびThe Green Biomass Sdn. Bhd(マレーシア国)と共同でEFBの発電燃料化に成功した。同事業ではこのEFBとPKSの混焼により安定的な操業を確保する。
■ 発電施設概要
会社名:大船渡発電(株)
会社設立予定日:2016年8月5日
所在地:岩手県大船渡市赤崎町字跡浜21-6(太平洋セメント大船渡工場内)
総事業費:235億円
発電設備:循環流動層ボイラ、再熱式蒸気タービン採用
発電出力:75MW
発電・売電:発電した電力は全量イーレックスに売却
燃料:バイオマス燃料比率 バイオマス:石炭=90:10
:バイオマス燃料は、PKSとEFBを使用する計画
年間発電電力量:約480,000MWh
:一般家庭の約110,000世帯分の電力消費量に相当(約285,000トン/年のCO2削減に貢献する)
着工:2016年度
完成予定:2019年秋
供給開始:2019年秋~20年間