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東レ、タイでPPS樹脂コンパウンドの生産開始

2016年9月20日

 東レ(東京都中央区)は13日、タイ子会社のタイ・トーレ・シンセティクス(Thai Toray Synthetics Co., Ltd.以下:TTS)の樹脂コンパウンド拠点であるバンコク工場においてPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂コンパウンドの生産設備を新設すると発表した。

 約5億円を投じて年間3,000トンの設備を導入し、2016年10月から稼働開始予定。タイはアセアン地区において最大のPPS樹脂需要国だが、タイ現地でのPPS樹脂コンパウンド拠点の設置は同社が初となる。

 PPS樹脂は、耐熱性や耐薬品性、機械的強度、難燃性等に優れた「スーパーエンプラ」で、自動車の電装部品や電機・電子機器、OA機器、住設関連部品等に使用されており、採用領域はさらに拡大している。

 同社グループではこれまで、アセアン地区のPPS樹脂需要に対して、日本および中国からの輸出で対応していたが、同地区は今後も自動車用途を中心に需要の拡大が期待されることから、現地生産化のメリットを活かした安定供給、リードタイム短縮、在庫・デリバリー等の機能強化によりさらなる拡販を目指す。

 加えて、アセアンにおける現地発信型の技術開発拠点として、2013年にTTSバンコク工場内に開設した樹脂テクニカルセンターでは、ナイロンやPBTの各樹脂に対応する射出成形機に加えて、PPS樹脂用の射出成形機及び開発に必要とされる各種2次評価機器を新たに導入した。

 また、同センターではすでに、押出成形機を活用して自動車部品メーカー等と共同で現地発の新規材料開発にも着手しており、需要地である現地のニーズに対応した開発体制も拡充していく考え。

■ 設備投資概要

所在地:タイ・バンコク(タイ・トーレ・シンセティクス バンコク工場内)
投資額:約5億円
生産品目:PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂コンパウンド
生産能力:年間3,000トン
稼働開始予定:2016年10月

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